健診をもっと身近に|三重北医療センター 菰野厚生病院 健康管理センターのパンフレットリニューアル事例

街で見かけるお店の看板や、なんとなく手にとったチラシなど、みなさんが日常で触れるものにも、事業者と作り手のストーリーが隠れています。

制作の裏側を知ることで、デザインを身近なものだと感じてほしい。
そんな願いを込め、事業者とデザイナーの対談を通して、デザインができあがるまでの道のりを深掘りします。

今回は、三重県菰野町の菰野厚生病院 健康管理センターさんと、デザイン制作会社エコムクリエーションが、パンフレット制作について語ります。

なかなか聞けない裏話。パンフレットや案内冊子が必要な方の、ヒントになるかもしれません。

この記事の登場人物

岩手さん

菰野厚生病院 健康管理センターのスタッフ。
地域のみなさんに健康診断の大切さを伝えている。

アートディレクター 和田

三重県菰野町のデザイン制作会社、エコムクリエーションのアートディレクター兼デザイナー。
クライアントが伝えたいことをデザインで表現する。

営業 山田

エコムクリエーションの営業担当。
気さくで話しやすく、ビジネス視点でクライアントの事業を後押しする。

10年ぶりの人間ドック・健康診断パンフレットの刷新。地元 菰野町の制作会社を選んだ理由とは?

菰野厚生病院の中にある「健康管理センター」では、地域のみなさんの健康をサポートするため、人間ドックや健康診断を行っています。


今回は、人間ドック・健康診断のパンフレットをリニューアルすることになり、エコムクリエーションに制作をご依頼いただきました。
なぜ、パンフレットのリニューアルを考えたのでしょうか。

岩手:
これまで使っていたパンフレットは10年以上前に作ったもので、内容が古かったんです。そろそろ新しくしたいな、というタイミングで、エコムクリエーションさんに問い合わせをしました。

和田:
ありがとうございます!
でも、たくさん制作会社があるなかで、どうして弊社にご依頼くださったんですか。

岩手:
「近くの制作会社が良いな」という声は以前から上がっていまして。エコムクリエーションさんは菰野町にある会社なので、すぐに来て対応してくれそうだし、相談もしやすいなと思いました。ホームページもオシャレな感じだったので、良さそうだなと思って。

パンフレット制作の打ち合わせ。イメージ共有から仕様提案まで

岩手さんからご連絡いただき、さっそく営業担当の山田がヒアリングに伺いました。
ヒアリングでは、ご要望や予算、制作スケジュールなどを打ち合わせします。
具体的にはどんな話をしたのでしょうか。

岩手:
メールで問い合わせましたが、山田さんがすぐ来てくれたんですよね。
問い合わせしてから1ヶ月後くらいに打ち合わせするのかな、というイメージでいたので、早くて驚きました。

山田:
お近くなので伺えてよかったです。
お互いにイメージを共有したいので、できるだけ現場に伺って、対面でお話するようにしています。

山田:
最初の打ち合わせでは、どんなパンフレットをつくりたいのかを伺いましたね。

岩手:
正直なところ、自分ではどんなものが良いのか分からなくて。
他の病院のパンフレットをお見せしながら、「こういう感じかな」とか「こういうのは違うと思う」とか、山田さんと話しながらイメージを膨らませていきました。

山田:
お話を伺って、今回のパンフレットには写真かイラストが必要だろうなと思いました。
この時点では、まだイメージが固まっていなかったので、写真撮影をする場合と、イラスト制作をする場合の、2パターンのお見積りを出させていただきました。

紙の仕様についても、当初は「2つ折り」で検討されていましたが、思ったより情報量が多そうだったので、3つ折り仕様をご提案しました。

パンフレット制作スタート。目的を確認・共有しデザインへ

検討の結果、イラストを掲載したパンフレットを作ることが決まり、いよいよ制作がスタートします。

制作を進めるにあたって、アートディレクターの和田が同席して打ち合わせをしました。
打ち合わせでは、どんな話をしたのでしょうか。

和田:
最初に、このパンフレットの「目的」を岩手さんと一緒に考えて、制作チームで共有しました。

「これまでのパンフレットが古いので作り替えたい」というのが、リニューアルする理由です。
一方で、そもそも「このパンフレットって何のためにあるんだっけ?」というのが、パンフレットの「目的」です。

和田:
一緒にお話しして、「より多くの人に健診のことを知ってもらって、健康管理センターの利用者を増やしていく。」という目的がはっきりしてきました。

どの案件もそうですが、制作を始める前に必ずお客さんと目的を言語化して、共有するようにしています。
ゴールを確認する、みたいなイメージですね。

目的を明確にしないと、お客さん側も制作チーム側も、途中で向かうべき方向がわからなくなってしまったり、意見が割れてしまったりするので、まず目的を確認・共有します。

健診を身近に感じてもらうためのデザイン提案

和田:
目的がはっきりしたら、「健診にどんな印象をもってもらいたいのか?」「どんな利用者を増やしたいのか?」という視点でコンセプトを固めていきました。

一般的には、病院って緊急性があって行くところですが、健康管理センターは、もっと地域の人との距離が近い、明るい日常の延長線上にある存在です。
それを表現できるような色味や、イラストをご提案しました。

地域の日常を描いたイラストで親しみやすさを演出

和田:
イラストレーターがこのパンフレットのために描きおろしていて、特に表紙は、「菰野町や地域の人々の、日常の中にある病院」をイメージしたイラストを採用しています。

よく見るとカモシカや御在所岳も。菰野町民の日常生活の中にある病院をイラストで表現した。

岩手:
カジュアルなんだけど、カジュアルすぎず、優しい雰囲気に仕上げていただけました。

病院のイメージを崩さず、それでも親近感を持ってもらうにはどんな表現が良いのか、スタッフ内で葛藤もありましたが、仕上がったデザインはスタッフにも好評でしたし、事務部長や院長にも「良いね!」と言ってもらえて安心しました。

高齢の方にもやさしいデザインで説明もしやすく

山田:
病院のパンフレットとして重要な、分かりやすさや、文字の大きさも最後まで調整しましたね。

岩手:
そうですね。高齢の方も見ていただくものなので、読みやすさにはこだわりました。
このパンフレットができたおかげで、健康診断の説明がしやすくなりましたよ。

完成した健康診断パンフレットの成果と、これからの地域への貢献

いよいよ完成したパンフレット。

このパンフレットをどのように役立てていくのか、健康管理センターのこれからを伺いました。

岩手:
パンフレットを配布してから、菰野町の会社さんからお申し込みをいただきました。

特に小さな事業者さんでは、忙しさで手が回らず、健診を受けていない会社もあるので、こうやって申し込みをいただけると嬉しいですね。
それに、菰野町の人でも、菰野厚生病院で健診を受けられるのを知らない方が多いんです。

だからこそ、このパンフレットを通して「ここでやってるよ!」と伝えたいです。

院内に設置されたパンフレット。誰でも気軽に健診の情報を得られる。

山田:
すぐ近くですし、健診の情報が新しくなったらいつでもご連絡ください。修正や更新にも対応できますので。

和田:
これからも身近な健康をサポートするきっかけとして、このパンフレットを役立ててもらえたら嬉しいです。

三重北医療センター菰野厚生病院 健康管理センターについて


三重北医療センター菰野厚生病院 健康管理センター


三重県三重郡菰野町福村75
菰野厚生病院 本館2階

休診日 土曜日・日曜日・祝日・年末年始
※人間ドック、健康診断は完全予約制です。

電話番号 059-393-1212(10:00〜16:00)

菰野厚生病院HP http://www.miekosei.or.jp/3_kkh/index.html
 健診・各種ドック http://www.miekosei.or.jp/3_kkh/ningen_doc.html